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  背景  
 


書籍並びに映像作品に対するレーテング制度が台湾政府行政院新聞局により新たに制定され、2004年12月1日より施行された。「出版品及録影節目帯分級弁法(出版物及び映像作品に対する規制法)」として今年8月に公布されたこのレーティング制度は、公聴会どころかいかなる議論もなされないまま発効されてしまったものである。

書籍や映像作品について規制対象となる場合の定義の中には以下のような言葉が含まれている。「犯罪行為等の『過剰描写』」「自殺行為の『過剰表現』」「暴力や逸脱行為の『劇的描写』」「成人には『許容範囲・・・嫌悪感も引き起こされない』性的行為、わいせつな筋書き、露出された性器の描写」と言った具合である。しかしこのような言い回しは拡大解釈が可能であり、利益団体に「過剰解釈」され乱用される恐れがあるものである。

法律が規制する対象が何であるかかなり曖昧であるのにも関わらず、違反者に課される罰金は厳しく(十万から五十万台湾ドル)、また違反が甚大と見なされた場合、一ヶ月から最大一年まで出版差し止めが課される。書店並びに出版社は衝撃を受け、製作側並びに一般読者の側からも反対の声が上がり、一週間足らずで、大学関係者や有識者を含む一万二千もの署名が我々のオンライン上の抗議声明サイトに寄せられた。 しかしこの法律は即広まり、その影響は甚大である。台湾最大のチェーン店「誠品書店」はすでに今年度のノーベル賞受賞作品を十八歳未満の閲覧に警告を与える規制対象本の棚に移すはめになってしまっている。J. M. クッツェー、高行健、トニ・モリスン、ガブリエル・ガルシア・マルケスと言った過去のノーベル賞作家も規制対象棚に移されることになるだろう。これらの作品に含まれている暴力行為や性行為も「過剰描写」であり「劇的表現」であると取られかねないからである。

しかしこれはほんの氷山の一角で、今後はますます長く厳しい冬が台湾の出版関係者にも読者にも訪れる事になりそうなのである。台湾政府がこの粗野な道徳検閲と不透明な浄化を台湾出版界に強制するなら、それは政府が掲げ誇りとしている情報の自由という民主主義に大きな後退を迫ることになるであろう。

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我々の要求

今回の事は危険な前兆であり文学表現や芸術表現の自由に対し直接に影響を与えかねないと我々は危惧している。本を書く人々とそれを読む人々、そして映像作品を創る人々とそれを楽しむ人々、そういった最も影響がある人々との民主主義的対話をせずに行われるいかなるレーティング制度に抗議をする協同団体として、我々が要求する事、我々が非難する事を以下に述べる。

  1. 言論の自由を要求し、レーティングの名の下になされる検閲を非難する

  2. 創作の自由を要求し、規範の名の下になされる弾圧を非難する

  3. 閲覧の自由を要求し、検査の名の下になされる抑圧を非難する

  4. 出版の自由を要求し、保護の名の下になされる規制を非難する

  5. この新たに制定されたレーティング制度の即時停止を要求し、公聴会、討論会の開催を要求する

  6. 政府の権力が任意に拡大する事を非難する

  7. この法律により不正な利益を評議団体が受ける事を非難する

  8. 特定の宗教団体の利益のための法律を非難する

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我々への支援をお願いします

我々への支援をお願いします 我々は、あらゆる有識者、制作者、出版社、作家、そして人権に関心を持つ人々からなる国際団体に対し、今回台湾行政院新聞局によりなされた大後退とも言える決定について注意を向けるよう呼びかけを行っています。我々は我々の活動を支援してくれるあらゆる人々に感謝し、以下のような支援をお願いしています。

  • 抗議声明への署名。

  • 人々の文学的/芸術的創作活動とその発表に対する基本的人権に配慮するよう台湾行政院新聞局へ要請。
    http://info.gio.gov.tw/ct.asp?xItem=15014&ctNode=1864

  • 外国における書籍のレーティング制度についての情報提供。
  • 同じような制度が世界中で取られているとする台湾政府の主張をくつがえすための根拠になりうると思われます。我々が知りたいと思っているのは以下のような事です。
    • 他の国ではどのように書籍はレーティングされているのか。どのような書籍が「規制対象」「成人向け」とされているのか。(何らかの明確な定義でも、その具体例でも結構です)
    • これらの本の販売や陳列に何らかの決まりはあるのか。
    • もしその規則に違反した場合、書店や出版社にどのような処罰が下されるのか。

  • 今回の事件について関心を持つであろう人々や団体へ台湾の現況を報告。

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